「東アジア環境史・民族史・社会史」
研究教育プログラム 招聘研究者

李 大海 / li dahai

経歴
2009年歴史学(博士号取得)
現在中国 陝西師範大学 西北歴史環境与社会経済発展中心 助理研究員

研究テーマ
環境史からみた地域社会変遷の研究
―明清時期陝西地区の事例分析を手掛かりに―

主な研究分野:明清政区地理・地域社会と環境との相互関係
研究テーマ(1): 環境と社会との相互作用:環境史研究のテーマについて
― 明清時期黄龍山地区を一例として
さらなる歴史文献資料の収集という基礎作業のもと、
環境史研究をテーマとする表現の方法について論じ、
環境評価と歴史評価との異同と関係との区分を鮮明にし、
全体かつ要点をついた歴史評価を行う。
環境史のテーマは、歴史上の人類社会と自然環境との相互関係について
研究者を通じて的確に把握されるべき
であり、
環境を仲介とした社会関係とその変遷との表現を新たに整備すべきである。
研究テーマ(2): 環境変動の影響下の地域社会
― 明清民国時期の山陝黄河灘地を例とした分析
中国に関する研究成果の進展とその研究の関心の所在を紹介し、
典型的な環境変動の条件下での地域社会の調整過程について考察する。
事実、「スケール」は環境研究中の一つの重要な概念であり、
特定区域内の社会の仕組みについてのある環境の変化を言えば、
直接的な「強制的な改変」は、人類社会に比較的大きな影響を及ぼし、
往々にして社会内部の各種複雑な関係の再構築と利益の争いとして
表現されるような事態から逃れることはできない。

研究テーマ(3): 人類活動影響下の環境変化およびその作用
― 明清時期西郷県城付近地区を例とした議論
限度のあるスケールにおいては、人類活動による(自然環境の)改造は
周辺環境の変化に極めて大きな影響を与え、さらにそれは「連鎖」反応することで、
地域社会の発展に対してマイナス効果をもたらし、
自身の行為が人類社会に返ってくることとなる。
それと同時に、各種の興味深い施策によって、
人類社会の内からの新たな発展の方向性が見出されるのであろう。
環境は依然として「仲介」としての存在であり、
地域社会の一種の「状態」から別の一種の「状態」へと変わるのである。